生きづらさを愛おしさへ

聴く専門家・春香のブログ

父の葬儀②

◇父の葬儀②

 

 

愛しい皆さま、こんにちは。

カウンセラー春香です。

私についてはこちらをどうぞ。

 

前回の葬儀①からの続きです。

 

 父が亡くなった日 

父との対面①

父との対面②

父の通夜①父の謎解き最終章

父の通夜②あなたのやらかしが誰かを癒す!?

父の葬儀①

 

 

 

父は生前から、俺が死んだときは

葬儀委員長は○○、弔辞は○○と

誰に頼むか決めていました。

 

家族葬になったので、弔辞も無くなると

私は勝手に思っていたのですが、

父が弔辞を託していたおっちゃんが

手紙を棺桶に入れてほしいと持参して

くれたんです。

 

 

兄と相談して、

「おっちゃんに読んでほしい。

おっちゃんに読んでもらうのを父も

楽しみにしてると思うし、俺たち兄妹も

おっちゃんに読んでもらいたいと思ってる。

お願い出来ませんか?」

そう兄から伝えてもらいました。

 

そうして、そのおっちゃんは弔辞を

読んでくれることになりました。

 

 

葬儀が始まり、場が静まります。

お坊さんがお経を唱えている間、

父の遺影を見つめていましたが、

やっぱり複雑な気持ちでした。

怒りも悲しみも寂しさもあるし、

父が亡くなったことで感じる

これで終わるんだという安心感。

 

読経の合間におりんの音も場内に

鳴り響きます。

50㎝はありそうなおりんの音は、

体の前面から皮膚、骨、臓器、

細胞を震わせながら通過しては

また前面から何度かやって来ました。

 

色んなことを考えていると、

あっという間に弔辞の番に。

 

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おっちゃんはゆっくりとした口調で

弔辞を読み上げていきます。

このおっちゃんが父の高校の同級生と

いうことは、私が短大生の頃から

知っていました。

 

おっちゃんは高校入学と共に地元を離れ、

誰も知り合いも居ない不安な中、

父と出会い、父に救われたそうです。

 

沢山友達ができて、生涯の友と言える

親友たちも出来たそう。

高校時代、貧乏大学生時代、大人に

なっても繋がり続けてきた親友。

父の存在は、そのおっちゃんにとって

光だったそうです。それなのに、

父の寂しさを埋めてあげられなくて

申し訳なかった、ごめん。

 

おっちゃんは弔辞で父に謝っていました。

他人が他人の寂しさを埋めることは

出来ないと分かっていても謝る。

男同士ってやつなんだろうし、

おっちゃんの懐の深さがより伝わります。

 

 

私の娘はこのおっちゃんの弔辞で

泣いたそうです。

娘も誰も知り合いが居ない状態で高校に

入学したので、響いたものが

あったんでしょうね。

 

弔辞が終わり、参列者がそれぞれ

棺桶の中で眠る父に、お花を添えてくれます。

 

その場に居る全員が終わった時、

葬儀場の方がなぜか私に

「最後に入れたい花は無いですか?」

と、聞いてくれたんです。

 

思い浮かんだ花が祭壇にあるか確認し、

「かすみ草を。」

と、お願いした瞬間、

場が緩んだように感じました。

 

 

母の名が入ってる花。

父が好きだった花。

私なりの父への最後の気遣い。

 

 

兄が喪主として挨拶をする姿も

とても立派でした。感謝しかない。

 

お気づきとは思いますが、

私はブラコンです^^

 

  

父を霊柩車に運ぶ際、夫・長男・次男も

棺桶に手を添えます。

 

焼き場に向かい始めた時、

あれ?こっちから行くと遠回りだよ?と

感じたけれど、その道を通る理由が

すぐ分かりました。

 

父と母の店があった場所の前を

通ってくれたんですね。

葬儀場の社長も父の仲間です。

 

 

続きます。